vol.6 内村食品工業株式会社
最終更新日:2024年3月8日
社名:内村食品工業株式会社
所在地:徳島市富田浜1丁目29番地
代表取締役 内村 道子
業種:食品製造業(農産加工)
創業:1909年(明治42年)
経営理念や大切にしていること
当社は、明治42年、創業者内村可一が農商務省水産講習所(現東京海洋大学)で学んだ当時最新の缶詰製造技術を徳島の地に初めて持ち帰り、県南の特産品である筍(タケノコ)を缶詰化して地域の産業にしたいとの志から始まりました。
その理念は、創業以来ひとえに、「地域とともに、そして大地の恵みから未来をはぐくむ。食づくりは未来を担うひとづくりである」との想いにあります。
祖父、父の背中を見ながら育った4代目の内村道子社長は、「自分の中に、創業者の理念は確固たるものとして受け継がれている」と語ります。
刻々と変化する経営環境の中で、日々一生懸命に打ち込むようにとの先代からのメッセージは日々の経営で自らを奮い立たせる芯棒となっております。
活用した徳島市の支援施策とその成果
当社では、徳島県産レンコンの加工において、青果では出荷できない形状や大きさのものも取り扱いしており、皮をむく作業をすべて手作業で行っております。
その工程を機械化する新たな剥皮技術を開発するため、令和4年度徳島市中小企業販路拡大支援事業補助金(製品開発、改良事業)を活用して専門機関の技術指導を得ました。
今回の施策で学んだ剥皮技術を、レンコンをはじめとする地域農産物の未利用資源の活用および加工工程に活用するべく、当社では量産体制に向けてさらに技術的な検討を進めています。
当社の強み、アピールしたいこと
当社では、明治42年に創業以来、タケノコやレンコンなど地域の農産物を扱ってきました。4代目の内村道子社長は次のように語ります。
「食を創る仕事であるということを誇り感じております。まず、自分自身、食を創ることが大好きであること。子どもが大好きだということ。だからこそ、まだ見ぬ未来の子供たちが健やかに育っていける食を正直につくり続ける責任があると自覚して、それが一番大事なことですよと、ともに働いてくれる従業員に伝えています。従業員の8割がお母さん、おばあちゃん世代の女性の少人数の事業所ですので、皆家族という思いでおります。
今後の展望
レンコンなどの食品の加工業は高齢化や担い手不足の波が押し寄せており、今回の支援施策の活用で、人の手による工程を機械化するということで生産性を高めるきっかけとなることが期待されます。
レンコンは、食物繊維やポリフェノールが豊富で腸の健康に資する食品としてますますの需要増が見込まれます。なかでも徳島産(当社では主に鳴門産のレンコンを取り扱っています)のレンコンは全国3大産地のひとつとして、京阪神市場にもっとも近い地の利があります。
また、規格外品の活用は、担い手不足の問題解決や産地振興の一助となり、SDGsにも貢献します。
当社では内村道子社長の展望の下、人の手による加工が優る工程、機械化が有利な工程を見極めながら長年受けつがれてきた農産物加工の分野で未来を見据えた挑戦が続けられています。
(取材 中小企業診断士 平井吉信)
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