古田 美知代議員(日本共産党徳島市議団)
日本共産党市議団の古田美知代です。
ただいま上程されています、市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書に対する修正案については、提案説明で述べたとおりです。ここでは、委員長報告に対して反対の立場で討論いたします、
私は、そもそも調査特別委員会設置自体が問題だと反対してきました。平成28年12月に提案された、一般廃棄物処理業の不許可処分に関する調査特別委員会は、確定した裁判記録等や不当な働きかけをした裏づけがあり、除斥された岡議員を除いて全会一致で設置されました。今回の案件については、報告書の検討結果の中で、不当な要望等・不当要求と認定することまではできないと結論づけています。また、総務委員会での委員の質問に、報告書を提出した専門委員からは、職員に対する聴取レベルで確定的な事実認定には至らなかった以上、議員に対する聴取をするまでは及ばなかったと説明を受けていると答弁されました。さらに、総務委員会中に、専門委員に、改めて議員に聴取する意思はないと確認したと総務部長が答弁されています。そうした中でも、多数決で決めて強引に進めてきたのです。まずその点を指摘し、討論します。
まず、認定に際しての問題点についてです。
第1の問題点は、3名の議員に対しては十分な手続保障をした上で実施しなければならないことは明らかなのに、されていません。要望等記録様式を含めた原資料を開示し、嫌疑をかけられた事実に対し十分な弁明の機会を与えるべきでした。しかし各議員は、結局、情報公開手続によりそれらを入手しているものの、一部分を非公開とされ、十分な情報を得るに至っていません。そんな中で、違法・不当な働きかけがあったとの認定をすることは、本当に重大な問題です。
第2の問題点は、尋問対象者の適格性の問題があります。
本委員会で、3議員以外に証人尋問を行ったのは、鈴田氏、石川氏、日下氏、高島氏です。鈴田証人は、各事実を直接体験し見聞した者ではありません。証言で、委員長の質問に対して、おおむねこのような内容であったことを確認しておりますという趣旨のことを連発していて、裏づけされる証拠はありません。
それどころか鈴田証人は、間違った証言をしているのです。偽証を問うなら、証拠もきちんとそろっている鈴田証人です。今もお話をいたしましたけれども、介護事業者の過誤額に関するところです。鈴田証人は、この件に関しまして、令和元年8月に、過大給付の約、たしか1,000万だったと思うと、1,000万が判明してから1年2か月後の令和2年10月に返還をしていただいたと報告を受けておりますと証言しています。判明してから1年2か月後に返還したというのは、事実ではありません。問題の額が確定したのは、徳島県国民健康保険団体連合会から事業者に対して事務連絡があった令和2年10月2日です。その後、その支払いに対する事業所の意思確認を同年10月6日期限で求めたのに対し、事業者は同年10月5日に、清算することを了解する旨の文書を返送しています。その後同年10月7日に、国保連理事長内藤佐和子氏から、返納額977万2,727円、振込銀行、納期限同年10月20日とする、徳国保連第128号4の返納依頼書面が事業者に送られています。それに対して事業者は、同年10月12日に、徳島大正銀行から指定口座に全額振り込んでいます。
実に支払い不足額が確定してから僅か10日間の短期間で、多額の支払い不足分の支払いをしているのです。鈴田証人の証言は全くの偽証です。鈴田証人の証言を受けて書かれたと思われる、報告書の17ページの最終行から18ページ先頭行に、返還請求額の全額が返還されるまでに通常よりも長い期間を要していることは事実であるという記述は、全く事実と違っているのです。事業者の方から提出された証拠資料は、全てそろっています。事実と違う箇所のある報告書は信用できません。
高島証人についても同様で、議員と直接やり取りをした事実はなく、全て伝聞にとどまっていることは明らかです。議員が何らかの言動をしたという裏づけには到底なりません。
弁護士二人による報告書では、関係職員15人から合計21回の聴取を行いながら、裏づけとなる証拠が不十分で、疑いがある以上の認定をすることができなかったのに、そのときよりも証人は少なく、しかも伝聞という人の証言で、同報告書を超えた認定をできないのは明らかです。
第3の問題点は、立証責任の事実上の転換があります。
一般的に、ある事実を証明するに当たっては、それがあるという側に立証責任があります。これは、あると主張し嫌疑をかける以上は、嫌疑をかけるだけの裏づけを持つべきですが、何の証拠もありません。ないことの証明は悪魔の証明と言われ、立証は事実上不可能です。
ところが各証人尋問では、委員長が次のような尋問をしています。先ほどお話しした内容につきましては、いろいろ述べた後、その事実がなかったと否定する根拠を証人はお持ちですかと、平成31年度中に認可できないかとの要望はしたことがないとおっしゃいましたが、このことについて、報告書や鈴田証人の証言内容を否定する何らかの根拠をお持ちでしょうかなどと尋問しています。これらはいずれも、本委員会がそもそも調査手法について、原則に立脚せずに調査していることの証左とならざるを得ず、明らかに妥当なものではありません。
このような尋問は、結局、尋問者の意図として、調査報告書の内容がぶれることなくそのとおりに認めてほしい旨を暗示していることにほかならず、かつ、証人に自分の口で具体的な内容を語らせない以上、専門家の調査報告書の内容よりもさらに具体的な内容は一切明らかにされないことになります。
本委員会による調査には問題点が多く、これを踏まえて何らかの認定を行うことは不可能です。よって、委員会から提出された市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書には反対です。
最後に、あくまで偽証と多数決で決め、刑事告発をするおつもりのようですが、人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、3か月以上10年以下の懲役に処する、刑法第172条、虚偽告訴等罪に当たることを申し添えるものです。
よって、修正案には賛成を、調査特別委員会委員長報告にはきっぱり反対されるよう、議員各位が良識ある御判断をされるよう申し上げ、私の討論を終わります。
美馬 秀夫議員(自由民主党徳島市議団)
自由民主党徳島市議団の美馬秀夫です。市の事務執行に対する市議会議員の関与に関する調査特別委員会調査報告書の採択に対して、反対の立場で討論いたします。
そもそも、百条委員会における調査手法に問題があります。まず第1に、令和3年8月20日付専門委員による調査報告書を前提に設定された百条委員会であるにもかかわらず、この調査報告書を作成した専門委員の参考人招致を、百条委員会委員として私は求めましたが多数決で否決し招致しない、全く不公正・不公平な取扱いであると言わざるを得ません。
そして第2に、百条委員会の報告書は、専門委員の報告書を覆すに足る品質のものかということです。検察官経験を持つ弁護士を含む弁護士二人の専門委員は、関係職員15人から述べ21回の聴取を行い、専門的な知見に基づいて検討した結果、いずれの案件についても、不当な要望等・不当要求であることを根拠づけるための資料・証拠が十分でないとしております。そしてその報告をよく読むと、正確にはその13ページに、調査した職員の当該証言だけをもって、裁判における立証を可能に評価できるレベルの供述を得るには至らないとしております。
そして、この専門委員は、元々検察官をされた弁護士であり、法的評価の専門家です。こうした法の専門家である弁護士の結論を覆すためには、少なくともそれ以上の調査を行うべきです。ところが、百条委員会で行った調査というのは、該当議員3人を含め7名の証人喚問を行っただけであります。専門家でもない市議会議員が、これで何が分かるのでしょうか。全くもってずさんで不公正・不公平な委員会運営と言わなければなりません。
そしてまた、この調査におきまして、認定に対してもいろいろ限界があるということが言えます。
そして全て、先ほどもいろいろ討論がありましたけれども、全てが誘導尋問がなされている重要な問題がございます。
専門委員による調査報告書を覆すに足る調査が行われたわけでなく、確たる証拠が発見されるわけでもなく、証人の適格性にも欠けた上に、調査手法にも問題があるような、このたびの百条委員会による調査報告書について、断固反対するものであります。
議員各位においては、このような不公正・不正極まりない委員会報告書に対して、正当な御判断をしていただき、この報告書について否決いただけますようにお願い申し上げまして、反対討論といたします。
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