更新日:2016年4月1日
さださんは、市長への表敬訪問の後、記者会見を行い、映画「眉山」や徳島への思いなどについて語ってくれました。
自分が書いたものを読んでもらうだけでなく、映像作家の手によって別の世界に広がっていくことは本当にうれしい。
小説を書き終えてから新たな盛り上がりがあって、それが映画になるのは、自分の直接の仕事ではないが、責任を感じる。映画になる以上、いいものになって欲しいし、また、たくさんの人に見て欲しい、親心みたいな気持ちがする。
びっくりした。すごい売れっ子だし、よくスケジュールが取れたなと感心する。「すげーなー」「ホントかよー」って感じ。しかも大沢たかおさんに、宮本信子さん。本当に凄い人たちによるキャストになったなと思う。
原作では「献体」がテーマの一つとなっており、ただ体を医学生に献ずるのではなく、その根拠を小説の中で明かしたかった。
それをドラマティックに表現するためには、娘も知らない母の過去を作って、その秘密が解き明かされる場面は、阿波おどりの熱気の中が最もふさわしいのではないか、と。
「クライマックスが阿波おどり」という前提で書き始めたわけだから、逆に言うと、舞台は徳島でなければならなかった。
徳島には30年来、コンサートやプライベートで訪れており、自分の体の中にまち並みも、風景も、人柄も入っているので、あまり苦労せずにストーリーだけを追いかけることができた。
自分が知る限り、これほど権力に縛られない民主的な祭りは見たことがない。それを、ずっと続けているこのまちはいったい何だと。まさに自由だと思う。
だから、阿波おどりを再現してくれるということには、正直びっくりした。ほかの祭りでは考えられない。このエネルギーに感激する。
阿波おどりの再現という、大勢の人なしでは撮れないシーンについては、市民の人が協力してくれたという話を現実に見聞きすると本当にありがたい。それほど眉山という山の存在に、徳島の人は熱い思いがあるのだと実感した。
長年通った、とてもすてきなまちで、そこを舞台にして小説を書いたことが、そのまちの人に歓迎してもらって、映画にまでしていただいて、また、まちの人が喜んでくれているという、こんな理想的な、お互いに幸せっていう仕事はなかなかないと思います。皆さん、本当にありがとうございます。映画の方もよろしくお願いします。
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