更新日:2020年3月20日
絹本著色
縦40.1 cm 横71.2
寛政10年(1796)
富士山は,古来より絶えず画題に取り上げられた日本を代表する風景であり,葛飾北斎の代表作「富岳三十六景」をはじめ江戸の画家たちも富士山に憧れをもって描いた。
江戸に住した芙蓉(ふよう)にも富士を描いた作品は多いが,この「富嶽遠望図」は,他の富士図と違い西洋の遠近法に基づいた広がりのある作品に仕上がっている。江戸の初春を描いたと思われ,富士図が持つ福寿性を主題にした伝統的な画題であるが,清々しい色調と富士を右に配し左に広がりを見せるパノラマ的な描き方に芙蓉の新しい西洋技法を身に付けようとする姿勢が見て取れよう。
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