徳島市環境基本条例の解説
最終更新日:2016年4月1日
目次
前文
第1章 総則(第1条-第6条)
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第1節 施策の策定等に係る指針(第7条)
第2節 環境基本計画(第8条・第9条)
第3節 環境の保全及び創造のための施策等(第10条-第25条)
第4節 地球環境保全(第26条)
第5節 施策の推進体制の整備(第27条・第28条)
前文
四国三郎として全国に知られる吉野川の雄大な流れと眉山、城山などの緑豊かな自然に恵まれた私たちのまち徳島市は、阿波おどりや人形浄るりなどの独自の伝統文化を育み、東四国の拠点都市として発展を続けてきた。
しかし、発展を支えてきた都市の活動は、私たちに豊かな生活をもたらした反面、資源やエネルギーを大量に消費し、廃棄物を大量に排出した結果、環境への負荷を著しく増大させ、地域の環境のみならず、すべての生存基盤である地球全体の環境を脅かすまでに至っている。
もとより私たちは、良好な環境の下に、健康で文化的な生活を営む権利を有するとともに、この恵まれた環境を損なうことなく、より良いものとして将来の世代に引き継ぐ役割を担っている。
私たちは、このような認識の下、環境の世紀である21世紀の主人公として、地球への思いやりを持ち、一人一人が協働して環境への負荷の低減に努める必要がある。
ここに、人と自然とが共生することのできる健全で恵み豊かな環境を保全し、創造するとともに、「快適で安らぎのあるまち・とくしま」を将来に引き継ぐため、この条例を制定する。
【趣旨】
徳島市環境基本条例は、前文、第1章「総則」、第2章「環境の保全及び創造に関する基本施策」の全28条で構成しています。
前文は、条例を制定する趣旨を明らかにするとともに、条例の概要を簡潔に表現し、すべての者の理解と協力を求めるものです。
また、前文は、本文の各条項の解釈運用上の基本的な考え方を示すものです。
その内容は、本市の環境特性、環境問題の経緯、近年の環境問題に対する基本的な認識、市民の権利と役割を明らかにし、環境問題への取組の方針、条例が目指すべき方向を宣言するものです。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境の保全及び創造について、基本理念を定め、並びに市、事業者及び市民の役割を明らかにするとともに、環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、これらの施策を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むことのできる良好な環境を確保することを目的とする。
【趣旨】
本条は、条例の目的を明らかにしたものであり、前文と併せて、条例解釈の指針となるものです。
この条例の目的として、環境の保全及び創造について、
1 基本理念を定め、
2 市、事業者及び市民といった各主体の役割を明らかにし、
3 環境の保全及び創造に関する施策の基本となる事項を定めることにより、
4 環境の保全及び創造に関する施策を総合的、計画的に推進し、
現在及び将来の市民が健康で文化的な生活を営むことのできる良好な環境を確保することを明らかにするものです。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 環境の保全 環境を良好な水準に保ち、維持することをいう。
(2) 環境の創造 良好な環境が維持できるよう、又は健全で恵み豊かな環境の恵沢を享受できるよう、より良い環境を創り出すことをいう。
(3) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全上の支障の原因となるおそれのあるものをいう。
(4) 地球環境保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(5) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生ずることをいう。
【趣旨】
条例における基本的な用語である「環境の保全」、「環境の創造」「環境への負荷」、「地球環境保全」、「公害」について定義するものです。
(基本理念)
第3条 環境の保全及び創造は、市民が健康で文化的な生活を営む上で必要とする健全で恵み豊かな環境を確保するとともに、その環境を将来の世代に引き継ぐことを目的として行われなければならない。
2 環境の保全及び創造は、人と自然とが共生することができ、かつ、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会の構築を目指して、市、事業者及び市民のそれぞれの役割分担の下に、自主的かつ積極的に行われなければならない。
3 地球環境保全は、市、事業者及び市民のすべてが自らの課題であることを認識し、それぞれの施策、事業活動及び日常生活において、積極的に推進されなければならない。
【趣旨】
基本理念とは、市、事業者及び市民が環境の保全及び創造を推進するにあたって、行動や判断の際に共通認識とすべき事項を定めるものです。
本条は、環境基本法や徳島県環境基本条例の基本理念にのっとるとともに、徳島市環境基本計画で設定した「望ましい環境像」や「基本目標」を踏まえ、次の4つの考え方を基本として構成しています。
1 健全で恵み豊かな環境の確保と将来への継承
市民が健康で文化的な生活を営むために、現在の市民が健全で恵み豊かな環境を享受する権利を確保するとともに、私たちの将来の世代にもこの権利が引き継がれるように積極的に環境の保全及び創造に取り組まなければならないことを明らかにするものです。
2 人と自然との共生
人は自然から多くの恵みを受けており、自然は人の生存にとって不可欠なものであることから、人が多様な自然や生物と共に生きることができるように環境の保全及び創造に取り組まなければならないことを明らかにするものです。
3 環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会経済システムと日常の生活様式の変化が、廃棄物問題や地球温暖化などの環境問題を引き起こす原因となっていることから、事業活動や日常生活による環境への負荷を少なくし、持続的な発展が可能な社会(将来の世代が享受する経済的及び社会的な利益を損なわない形で現在の世代が環境を利用することができる社会)の構築を目指すことを明らかにするものです。
4 地球環境保全の積極的推進
地球の温暖化やオゾン層の破壊といった地球環境問題は、通常の事業活動や日常活動に起因する部分が多く、その解決には、市、事業者、市民の各主体の取組が不可欠となります。そこで、地球環境の保全を自らの課題としてすべての者が認識するとともに、その解決に積極的に取り組む必要性を明らかにするものです。
(市の役割)
第4条 市は、前条に定める環境の保全及び創造についての基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、自然的・社会的条件に応じた環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するものとする。
2 市は、基本理念にのっとり、自らの施策の実施に伴う環境への負荷の低減に努めるものとする。
【趣旨】
第3条で定める基本理念を実現するためには、市、事業者及び市民というすべての主体による取組が不可欠となることから、本条から第6条において、それぞれの果たすべき役割を明らかにしています。
本条は、環境の保全及び創造に取り組む市の立場と役割についての考え方を明らかにするものです。
なお、具体的な市の取組については、第2章で明らかにしています。
(事業者の役割)
第5条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たって、公害の防止、廃棄物の適正な処理、自然環境の保全その他環境の保全上の支障の防止のために必要な措置を講ずるとともに、資源の循環的な利用その他環境への負荷の低減に努めるものとする。
2 事業者は、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めるものとする。
【趣旨】
本条は、事業者が事業活動を行うにあたり、環境への配慮を行うことを役割として明らかにするものです。
環境への負荷の原因者は、事業者に限らず生活排水や家庭ごみなどの例に見られるように市民も原因者としてとらえられるところですが、事業者は、特にその事業活動による環境への負荷が大きいこと、また、一般に、事業者は、事業活動の促進のため各種の組織を保持しており、環境の保全及び創造のための措置を実施し得る相当の物的人的能力を有することから、特に市民とは異なる役割を明らかにしています。
(市民の役割)
第6条 市民は、基本理念にのっとり、日常生活に伴う環境への負荷の低減に自ら積極的に努めるものとする。
2 市民は、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めるものとする。
【趣旨】
今日の環境問題の多くは、生活排水による水質汚濁、自動車排出ガスによる大気汚染などの都市・生活型環境問題、地球温暖化問題、廃棄物の排出量の増大などにみられるように、事業活動のみならず市民の日常生活等に伴って生ずる環境への負荷の集積により発生するものです。
このため、本条は、市民の役割として、まず日常生活において環境への負荷の低減に努めるほか、市が実施する環境の保全及び創造に関する施策に協力するよう努めるべきことを明らかにするものです。
第2章 環境の保全及び創造に関する基本的施策
第1節 施策の策定等に係る指針
(施策の策定等に係る指針)
第7条 市は、環境の保全及び創造に関する施策を策定し、及び実施するに当たっては、基本理念にのっとり、次に掲げる事項の確保を旨として、各種の施策相互の有機的な連携を図りつつ総合的かつ計画的に行うものとする。
(1) 大気、水、土壌等を良好な状態に保持することにより、健康で安心して暮らせる生活環境を保全すること。
(2) 生物の多様性を確保するとともに、多様な自然環境を保全すること。
(3) 人と自然が触れ合える潤いと安らぎを感じる快適な環境を創造すること。
(4) 資源の循環的利用を推進し、地球環境保全に資すること。
【趣旨】
市の環境の保全及び創造に関する諸施策は、公害の防止、自然環境の保全等を対象とし、また、経済的措置、社会資本整備、環境教育・学習、事業者・市民の積極的な取組の支援など、その施策対象や施策手法が広範多岐にわたるため、第2章「環境の保全及び創造に関する基本的施策」の冒頭の本条において、施策の策定及び実施に当たっての基本方針(指針)を明らかにしています。
第2節 環境基本計画
(環境基本計画)
第8条 市長は、環境の保全及び創造に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、環境の保全及び創造に関する基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全及び創造に関する長期的な目標及び施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、環境の保全及び創造に関する施策を推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、事業者及び市民の意見を反映することができるように必要な措置を講ずるものとする。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかに、これを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
【趣旨】
本市では、広範多岐にわたる環境の保全及び創造に関する施策を体系化し、施策相互の連携を図りつつ、中長期的な観点に立って、総合的かつ計画的に推進するために徳島市環境基本計画を策定しています。
本条は、基本計画の位置づけを明確にするとともに、市長に基本計画の策定・公表を義務づけることにより、実行性をより高いものとしています。
(環境の状況等の公表)
第9条 市長は、毎年度、市域の環境の状況並びに環境の保全及び創造に関して講じた施策について報告書を作成し、これを公表しなければならない。
【趣旨】
本条は、執行機関の長である市長に対して、毎年、環境の状況並びに市が環境の保全及び創造に関して講じた施策を明らかにした報告書(環境白書等)を作成し、公表することを義務づけたものです。報告書の作成、公表は事業者や市民が環境問題の現状に対する理解と認識を深めるとともに、環境の保全及び創造に関する自主的かつ積極的な行動をより促進するものと考えられます。
第3節 環境の保全及び創造のための施策等
(事業等の立案及び実施における環境配慮)
第10条 市は、環境に影響を及ぼすおそれのある事業等の立案及び実施に当たっては、環境基本計画との整合を図り、環境の保全及び創造に配慮するために必要な措置を講ずるものとする。
【趣旨】
市の行政施策は広範多岐にわたり、例えば公共事業の実施に伴って、環境への負荷を生じるものが考えられます。
このため、市が実施する事業等の中で、環境に影響を及ぼすおそれのあるものについて、立案及び実施する段階に、環境基本計画の内容と整合を図るとともに当該事業等による環境への影響の低減を検討する等、環境の保全及び創造に配慮するために必要な措置を講ずることとしています。
(環境影響評価への対応)
第11条 市長は、環境影響評価法(平成9年法律第81号)及び徳島県環境影響評価条例(平成12年徳島県条例第26号)の規定に基づき、県知事から環境の保全の見地からの意見を求められた場合には、環境基本計画との整合を図った上で意見を述べるものとする。
【趣旨】
土地の形状の変更や工作物の新設等の大規模な事業を実施する者は、環境影響評価法や徳島県環境影響評価条例に基づき、事前に環境への影響を、自ら調査、予測、評価し、その結果に基づき環境の保全に適正に配慮することが定められています。
この環境影響評価制度では、県知事は環境の保全の見地からの関係市町村長の意見を求めることが定められています。そこで、この意見には、環境基本計画との整合を図った上で県知事に提出することとしています。
(規制等の措置)
第12条 市は、公害を防止するため、公害の原因となる行為に関し、必要な規制の措置を講じなければならない。
2 前項に定めるもののほか、市は、環境の保全上の支障を防止するために、必要な規制、指導その他の措置を講ずるよう努めなければならない。
【趣旨】
本条は、住民の生活環境を保全していくために、公害の原因となる行為や生活環境に支障をきたす行為に対して、関係法令に基づき規制等の措置を講ずることを明らかにするものです。
また、第2項では、第2条第5号に規定する公害以外の事象による環境の保全上の支障の原因となる行為や生活環境に支障をきたす行為に対して、必要に応じて規制の措置のほか、原因者に対して原因となる行為の改善や周辺住民への十分な説明など環境への配慮について指導・助言を行う等、必要な措置を講ずるよう努めることとしています。
(河川等の水質の保全)
第13条 市は、河川等の水質を保全するために、水質の汚濁の原因となるおそれのあるものの低減その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
きれいな川や海は、私たちが生きていくうえで必要不可欠であるとともに、多くの生き物の生育・生息の場としても重要な場所となっています。また、市域には、吉野川をはじめ新町川や助任川など138本もの河川が網目状に流れており、豊かな水環境を形成しています。
本条は、これらの河川の水質を保全するために、工場や事業場、家庭からの排水による汚濁の低減のための規制・指導・啓発等、必要な措置を講ずるよう努めることとしています。
(自然環境の保全及び創造)
第14条 市は、人と自然との豊かな触れ合いを確保するために、水辺地や緑地等の多様な自然環境の保全及び創造に努めるものとする。
2 市は、自然環境の保全及び創造に当たっては、生物の多様性の確保に努めるものとする。
【趣旨】
人は自然と触れ合うことにより、人間性の回復や心身の休養といった「癒し」の効果を得ることができます。また、自然との触れ合いにより、自然に対する理解を深め、自然へのモラルや愛情など、自然環境保全の意識を育むことが期待できます。
本条は、水辺地や緑地等の多様な自然環境を保全及び創造することにより、市民が自然とふれあえる機会と生物の多様性の確保に努めることとしています。
(良好な景観の形成)
第15条 市は、地域の環境の特性を生かした良好な景観を形成するために、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
市域には、気象や地形の条件、歴史・文化的環境を背景に、地域固有の景観が存在しています。
本条は、こうした地域固有の特性を活かした良好な景観を形成するために必要な措置を講ずるよう努めることとしています。
(誘導の措置)
第16条 市は、事業者及び市民が環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることとなるよう誘導するため、必要な措置を講ずるよう努めるものとする。
【趣旨】
生活排水や廃棄物の増加といった私たちの毎日の暮らしそのものが原因となる都市生活型の環境問題を解決するためには、通常の事業活動や日常生活を含めた幅広い社会経済活動を環境への負荷の少ないものに変えていく必要があります。
本条は、事業者や市民が自発的に環境に配慮した対応を図ることができるように、市が技術的助言や補助等必要な措置を講ずるよう努めることとしています。
(公共的な施設の整備等の推進)
第17条 市は、一般廃棄物処理施設、公共下水道、環境への負荷の低減のための交通施設(移動施設を含む。)等の整備その他環境の保全上の支障を防止するための事業の推進に努めるものとする。
2 市は、地域の特性及び環境資源を生かした快適な環境の創造に資するための公共的な施設の整備に努めるものとする。
【趣旨】
生活排水による水質汚濁問題、地球環境問題等の今日の環境問題は、特定の事業活動の結果としてではなく、通常の社会経済活動の結果生ずるものです。したがって、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な地域社会を構築するためには、一般廃棄物処理施設や公共下水道の整備等の環境の保全上の支障の防止に役立つ社会資本の整備などの事業をすすめていくことが重要となります。
また、第2項では、市民が潤いや安らぎを感じることのできるよう都市公園や森林公園など地域の特性及び環境資源を活かした快適な環境の創造に資するための公共的な施設の整備に努めることとしています。
(資源等の循環的な利用促進等)
第18条 市は、環境への負荷の低減を図るため、市の施設の建設及び維持管理その他の事業の実施に当たっては、資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の減量等に努めるものとする。
2 市は、環境への負荷の低減を図るため、事業者及び市民による資源の循環的な利用、エネルギーの有効利用、廃棄物の減量等が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
【趣旨】
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会経済システムと日常の生活様式の変化が、廃棄物問題や地球温暖化などの地球環境問題を引き起こす原因となっています。
本条では、市が事業者・消費者としての立場から、環境に配慮した公共施設の建設及び維持管理を行うために、再生資源の利用や太陽光発電など自然エネルギーの利用等、率先して環境への負荷低減に努めることとしています。
また、第2項では、事業者や市民による資源の循環的な利用等が促進されるように必要な措置を講ずることとしています。
(環境管理の実施)
第19条 市は、その事業活動に係る環境の保全に関する取組を進めるに当たり、自ら環境に関する方針や目標等を設定し、これらの達成に向けて取り組む環境管理の実施に努めるものとする。
2 市は、事業者による前項の環境管理が促進されるよう努めるものとする。
【趣旨】
市の事務・事業による環境への負荷を低減するために、環境に関する方針や目標等を設定し、その達成状況のチェック等を自主的に行う環境管理の実施に努めることとしています。
また、事業者は、社会経済活動の中で大きな役割を占めており、それに伴い環境に与える負荷も大きくなっていることから、第2項では、事業者に対して先進事例の提供等を行い、環境管理が促進されるよう努めることとしています。
(環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興等)
第20条 市は、事業者及び市民が環境の保全及び創造に関する理解を深めるとともに、事業者及び市民の自発的な環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲の増進を図るため、環境の保全及び創造に関する教育及び学習の振興並びに広報活動の充実について必要な措置を講ずるものとする。
【趣旨】
本条では、事業者及び市民が環境の保全及び創造に関する理解を深め、自発的に活動を行う意欲が高まるよう、環境教育や環境学習講座、広報活動の充実を図る等、必要な措置を講ずることとしています。
(事業者及び市民の自発的な活動の促進)
第21条 市は、事業者及び市民が自発的に行う環境の保全及び創造に関する活動が促進されるよう必要な措置を講ずるものとする。
【趣旨】
事業者及び市民による自発的な環境の保全及び創造に関する活動が促進されるように、市が知識の普及や人材の育成、活動場所の提供等、必要な措置を講ずることとしています。
(情報の提供)
第22条 市は、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の保全及び創造に資する情報を適切に提供するよう努めるものとする。
【趣旨】
事業者、市民による幅広い環境の保全及び創造の活動を促進していくためには、正確な情報が適切に提供されることが重要かつ不可欠となります。
このため、本条は、市が市民等にとって必要な情報を広く入手できるように、環境の状況、環境保全活動の事例等の環境の保全及び創造に関する情報を、個人や法人の権利利益の保護に配慮しつつ適切に提供するよう努めることとしています。
(市民環境週間)
第23条 事業者及び市民に広く環境の保全及び創造についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全及び創造に関する活動を行う意欲を高めるため、徳島市民環境週間を設ける。
2 徳島市民環境週間は、6月1日から1週間とする。
3 市は、徳島市民環境週間の趣旨にふさわしい事業を実施するものとする。
【趣旨】
環境基本法では、事業者及び国民の間に広く環境の保全についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、6月5日を「環境の日」に定めており、環境省では、6月の一カ月間を「環境月間」として呼びかけを行っています。
本市においても、事業者及び市民に広く環境の保全及び創造についての関心と理解を深めるとともに、積極的に環境の保全及び創造に関する活動に取り組む意欲を高めるために、6月1日から1週間を徳島市民環境週間と定め、その期間に、徳島市民環境週間の趣旨にふさわしい事業を実施することとしています。
(調査及び研究)
第24条 市は、環境の状況の把握、環境の変化の予測その他環境の保全及び創造に関する施策の策定及び実施に必要な事項の調査及び研究に努めるものとする。
【趣旨】
今日の複雑な環境問題に適切に対処するために、環境の状況の把握、環境の変化の予測、施策を行った場合の効果の評価等、環境の保全及び創造に関する施策の策定、実施の基礎となる調査・研究に努めることとしています。
(監視等の体制の整備)
第25条 市は、環境の状況を把握し、並びに環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために必要な監視、測定、検査等の体制の整備に努めるものとする。
【趣旨】
環境の状況を把握し、環境の保全及び創造に関する施策を適正に実施するために、専門職員の配置や測定機器の整備等を図り、必要な監視、測定、検査等に関する体制の整備に努めることとしています。
第4節 地球環境保全
(地球環境保全)
第26条 市は、事業者及び市民と協働して地球環境保全に資する施策を積極的に推進するものとする。
【趣旨】
地球の温暖化やオゾン層の破壊などの問題が地球規模で広がりを見せ、すべての生物の生存基盤そのものを脅かすに至っています。この地球規模の環境問題は、私たちの日常生活や事業活動に起因していることから、本条では、市、事業者及び市民が協働し、地球環境を保全するための施策に積極的に取り組むこととしています。
第5節 施策の推進体制の整備
(推進体制の整備)
第27条 市は、その機関相互の連携を図り、環境の保全及び創造に関する施策を総合的に調整し、及び推進するための体制を整備するものとする。
2 市は、事業者及び市民と連携して、環境の保全及び創造に関する施策を推進するための体制を整備するものとする。
【趣旨】
環境の保全及び創造に関する施策は広範多岐にわたることから、環境行政を総合的に調整し推進するために、行政内部の部局間相互の緊密な連携の下に、必要な事項について審議する体制を整備することとしています。
また、第2項では、施策の推進にあたって、市、事業者及び市民の三者のパートナーシップが重要となることから、事業者や市民と連携し、施策を推進するための体制を整備することとしています。
(国、県及び他の地方公共団体との協力)
第28条 市は、環境の保全及び創造に関する施策で、広域的な取組を必要とするものについては、国、県及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
【趣旨】
今日の環境問題は、地球環境問題をはじめとして広域的なものとなっています。このような本市だけでは解決できない問題については、国や徳島県、他の地方公共団体と協力して取り組み、施策の推進に努めることとしています。
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